書くということ

最近は色々な出版社から連載や読み切り記事の執筆を依頼されることが増えてきました。しかし、ほとんどの依頼は断るようにしています。私はプロの書き手ではないし、何より自分が面白いと思えるものにしか興味が持てないからです。

楽しく書くというのは、生業としてのライターでは無理だろうと思います。私はお金のために書くという事はしません。だから、今まで書いた記事や取材について私自身は1円も手にした事はありません。

執筆を依頼されるときには、素人の私に対してでも高額な報酬を提示してくれますが、お金のために書くとなれば、それは趣味ではなくなってしまいます。

私にとって「書く」という行為は情報や知識、経験を論理的に整理する作業であるとともに、人生の一部分を記録する行為でもあります。SPA!の連載を始めたのは、膨大な情報の中に埋もれてしまうウェブより、物理的な紙媒体に記録を残したかったからです。

それに趣味として書くことと、発言の場を紙媒体に持つことには大きな意味があります。インターネットの普及で、誰でも簡単に記事を掲載できてしまう現代では、紙媒体に発信する機会はとても貴重だと思います。

SPA!の連載も私にとっては趣味であり、論理的思考のトレーニングだと考えています。西原理恵子さんと同じ誌面を作れることも貴重な経験であり、単行本化も楽しみです。それでも、自分で書くことが面白くなくなったと感じたら、やめる時だと思っています。

ウェブ上に書くのはブログとツイッターで十分ですが、最近は純粋な文学作品も書いてみたいと思うようになりました。あくまでも趣味ですが。

山口組分裂『六神抗争』365日の全内幕

山口組

宝島社から8/27に発売された「山口組分裂『六神抗争』365日の全内幕」に寄稿した。「弘道会と山健組の衝突を招いたカネと暴力のバランスシート」という題名で、分裂の背景を経済とガバナンスの面から捉えて解説した。

暴力団の基礎をなすものは「暴力」である。暴力の否定は暴力団の存在意義を失い、統治能力の低下を招く。山口組は五代目体制になり、急激にその暴力性を自主規制してきた。暴力団を取り巻く社会環境に適応した結果とも言えるが、それは同時に山口組当代から絶対的権力を奪うこととなった。

山口組が大きく変容するのは田岡一雄三代目と、その正統な後継者である山本健一若頭までをも失ったことから始まる。竹中正久四代目の誕生は、山口組に最初の分裂をもたらした。この後に起こる山一抗争の不完全な終結が、山口組の正統性に矛盾を孕ませたのは間違いない。

本書では、その歴史的背景と経済的要因に分裂の原因を求めて解説したが、注目は西岡研介氏が行った織田絆誠若頭代行へのロングインタビューだ。神戸山口組、六代目山口組双方から意見が出ることは、問題を解決する上で重要なことだろう。興味のある方は是非、本書を手にとって頂きたい。